研究内容
言語学
言語学とは、人が使う言葉に関する研究のことを指します。この学問は、言葉を構成する音やその使い方、さらには言葉の背後にある人間の思考やコミュニケーションのメカニズムまでを広く探求します。
中でも、音声学や音韻論という分野では、私たちが言葉を話す際の音の生成や、それがどのようにして聞こえるのか、という側面を研究します。これは、例えば「どうやって言葉を話しているのか」という物理的、生理的側面や、「それがどのように耳に入ってくるのか」という知覚の側面を考慮することを意味します。
興味深いことに、私たちが日常的に経験する「言い間違え」は、主流の言語学、特に生成文法の範囲には含まれません。また、人が言葉を理解しているのに聞き取れなかったり、思ったことを正確に口に出せなかったりする現象は、言語学者にとって非常に興味深いテーマとなっています。
最後に、言葉には大きく二つの側面があります。一つは人間の思考を支えるもの、もう一つはコミュニケーションの手段としての役割です。私の主な研究は、このコミュニケーションの側面に焦点を当てています。
言語学は、私たちが普段何気なく使っている言葉の背後に広がる奥深い世界を解明するための学問です。
研究手法
- 実験
- 録音→聴取実験→データ分析
- コーパス→音響分析
- コーパス音声→聴取実験→データ分析
- 合成音声作成→聴取実験→データ分析
あなたの日常にひそむ音声学
音を発するたび、話をするたび、音楽を楽しむたび。そこには、多くの人が気付かない「音声学」の影がちらほらと見え隠れしています。そう、あなたの日常生活の中に、音声学は深く根付いているのです。
「音声学って何?」と思われる方もいるかもしれませんが、実は私たちの身の回りの多くの場面で音声学の手法や知識が活かされています。例えば、スマートフォンの音声認識機能や、建築物の音響デザイン、そして音楽や発音のリハビリに至るまで、多岐にわたるフィールドで音声学が役立っています。さらに、外国語の学習、子供の言葉の獲得、若者言葉、方言、テレビやラジオのアナウンサーの発音など、日常の様々な場面で音声学の知識が活かされているのです。
とはいえ、音声学を専門に学ぶ機会は限られており、多くの人々がこの学問の存在を知らないままです。だからこそ、もう少し音声学の魅力や役立ちを広め、多くの人に知ってもらいたいと感じています。
また、音声学と英語教育の関係について触れると、現地に行って言語を慣れ親しむことは非常に有効ですが、日本で英語を学ぶ意義は、単なる言語スキルだけではなく「教養」としての価値があります。音声学の知識を取り入れた英語教育は、より深い言語理解をもたらし、言葉の背後にある文化や価値観を感じ取る手助けとなります。
私たちの日常に溶け込む音声学。あなたも、日常の中で音声学の影響を感じながら、もっとその奥深さを知り、楽しんでみませんか?